【プロテイン基礎知識①】プロテインとは?ホエイ・カゼイン・ソイの違いを解説

【プロテイン基礎知識シリーズ 第1回/全7回】
プロテインの「種類・量・タイミング・選び方・安全性」を、研究機関の見解をもとに1つずつ整理していくシリーズです。第1回は「そもそもプロテインって何?」から始めます。
「プロテインって飲んだ方がいいの?」「ホエイとかソイとか、何が違うの?」
筋トレを始めたばかりの頃、こんな疑問を持ったことはありませんか?
ドラッグストアにもコンビニにもプロテインが並ぶようになりましたが、実は「プロテインが何なのか」をきちんと説明できる人は意外と少ないんですよね。
このサイトではこれまでマイプロテインを中心に、たくさんの商品をレビューしてきました。ただ、レビューを読む前に知っておいてほしい基礎知識もあります。そこで今回から、プロテインの基本をシリーズでまとめていきます。
第1回のテーマは「プロテインとは何か」と「ホエイ・カゼイン・ソイの違い」です。
この記事の目次
プロテインとは「タンパク質を摂りやすくした食品」
まず大前提として、プロテイン(protein)は英語で「タンパク質」という意味です。
私たちが「プロテイン」と呼んでいる粉は、牛乳や大豆などからタンパク質を取り出して粉末にしたただの食品です。薬でもなければ、飲むだけで筋肉が付く魔法の粉でもありません。
タンパク質は筋肉だけでなく、皮膚・髪・内臓・ホルモンなど体のあらゆる部分の材料になる栄養素です。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品から摂るのが基本ですが、筋トレをしている人は必要量が増えるため、食事だけだと足りない事がある。その「足りない分を手軽に補う手段」がプロテインというわけです。
筋トレする人はどれくらいタンパク質が必要?
量については次回(第2回)で詳しく解説しますが、目安だけ先に紹介しておきます。
国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、2017年に発表したタンパク質に関する公式見解(ポジションスタンド)の中で、次のように述べています。
“an overall daily protein intake in the range of 1.4–2.0 g protein/kg body weight/day (g/kg/d) is sufficient for most exercising individuals”
(運動をしている人の大半は、1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gのタンパク質を摂れば十分である)
― Jäger R, et al. ISSN Position Stand: protein and exercise(2017)
体重70kgの人なら、1日98〜140gです。肉や魚だけでこれを毎日確保するのは、なかなか大変なんですよね。ここでプロテインが役に立ちます。
プロテインで筋肉は本当に増えるの?
「結局、飲む意味あるの?」という疑問に対しては、研究の答えがあります。
カナダ・マクマスター大学のMortonらは、49件の研究(参加者1,863人)をまとめたメタ分析を2018年に発表しています。その結論は次のとおりです。
“Dietary protein supplementation significantly enhanced changes in muscle strength and size during prolonged RET in healthy adults.”
(健康な成人が長期間レジスタンストレーニングを行う場合、タンパク質の補給は筋力と筋肉の大きさの向上を有意に高めた)
― Morton RW, et al. Br J Sports Med(2018)
つまり、筋トレとセットにすれば、プロテインはちゃんと意味があるという事です。ただし同じ論文では、効果の大きさは「劇的」と言えるほどではない事も示されています。主役はあくまでトレーニングと食事で、プロテインは脇役。この距離感が大切です。
ホエイ・カゼイン・ソイの違い
プロテインは、原料によって大きく3種類に分かれます。
| 種類 | 原料 | 吸収の速さ | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| ホエイ | 牛乳(乳清) | 速い | 筋トレ前後・日中の補給 |
| カゼイン | 牛乳(固形分) | ゆっくり | 就寝前・間食 |
| ソイ | 大豆 | 比較的ゆっくり | 乳製品が合わない人・植物性派 |
ホエイプロテイン
ヨーグルトの上にたまる透明な液体、あれが「乳清(ホエイ)」です。ホエイプロテインはここからタンパク質を取り出したもので、吸収が速く、筋肉の合成に関わるアミノ酸「ロイシン」が多いのが特徴です。
味のバリエーションも豊富で、価格も手頃なものが多い。マイプロテインの「Impactホエイ」もこのタイプですね。迷ったらまずホエイ、と言われるのはこの為です。
カゼインプロテイン
牛乳のタンパク質の約8割を占めるのがカゼインです。胃の中で固まりやすく、ゆっくり時間をかけて吸収されるのが特徴です。
ISSNのポジションスタンドでは、就寝前のカゼインについて次のように触れています。
“Pre-sleep casein protein intake (30–40 g) provides increases in overnight MPS and metabolic rate without influencing lipolysis.”
(就寝前にカゼインプロテインを30〜40g摂ると、脂肪分解を妨げる事なく、夜間の筋タンパク合成と代謝率が高まる)
― ISSN Position Stand: protein and exercise(2017)
寝ている間は何時間も食事をしないので、ゆっくり吸収されるカゼインを寝る前に、という使い方が合理的なわけです。
ソイプロテイン
大豆から作られた植物性のプロテインです。乳製品でお腹がゴロゴロしやすい人や、植物性の食事を好む人の選択肢になります。
「植物性だと筋肉が付きにくいのでは?」という疑問もよく聞きますが、これについてはシリーズ第5回で研究を紹介しながら詳しく扱います。結論だけ言うと、総量をしっかり確保すれば大きな差は出にくいと考えられています。
プロテインを選ぶ時の3つのポイント
種類が分かったところで、最初の1つを選ぶ時に見るべきポイントをまとめます。
- ①1食あたりのタンパク質量:ISSNは1回の目安を「体重1kgあたり0.25g、または20〜40g」としています。1杯で20g前後摂れるかをチェックしましょう。
- ②続けられる味と価格:どんなに優秀でも、不味くて飲まなくなったら意味が無いんですよね。最初は少量サイズで味を試すのがオススメです。
- ③体質に合うか:お腹が弱い人は、乳糖の少ないタイプ(WPI)やソイを検討しましょう。WPIについては第4回で解説します。
結論としては、初めての1つは「コスパの良いホエイ」を選び、味が合うものを見つけるのが一番だと思います。
プロテインに過度な期待はしないこと
最後に大事な話を1つ。
プロテインはあくまで「食事で足りないタンパク質を補う食品」です。トレーニングをせずに飲んでも筋肉は増えませんし、飲み過ぎればその分カロリーが増えて太る原因にもなります。
このあたりは過去記事「プロテインやサプリメントの効果に過度な期待をしてはいけない理由」や「プロテインで太る人と痩せる人の違い」でも書いていますので、あわせて読んでみてください。
まとめ
- プロテインは「タンパク質を摂りやすくした食品」であり、魔法の粉ではない
- 運動する人のタンパク質の目安は1日・体重1kgあたり1.4〜2.0g(ISSN)
- 筋トレと組み合わせると、筋力・筋量の伸びを高める事がメタ分析で示されている
- ホエイ=速い、カゼイン=ゆっくり、ソイ=植物性。迷ったらまずホエイ
というわけで、プロテイン基礎知識シリーズ第1回でした。次回は「プロテインは1日何g必要か」を、厚生労働省の食事摂取基準と筋トレ向けの研究を比べながら解説します。
プロテイン基礎知識シリーズ
シリーズの記事一覧はこちら(公開済みの回から順に読めます)
参考文献
- Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5477153/
- Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52:376-384. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5867436/

