【サプリの科学①】クレアチンの効果と飲み方。本当に効く数少ないサプリ
国際スポーツ栄養学会が「最も効果的」と評価するクレアチン。効果の仕組み、ローディングの有無、1日の量、安全性の注意点を解説します。
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【サプリの科学シリーズ 第1回/全6回】
筋トレ系サプリを「科学的な根拠の強い順」に取り上げ、効果・飲み方・注意点を整理するシリーズです。第1回は、根拠が最も豊富と言われるクレアチンです。
サプリメントの世界には「飲むだけで筋肉ムキムキ!」みたいな宣伝文句があふれています。でも、本当に研究で効果が確かめられているサプリは、実はそれほど多くありません。
その数少ない「本当に効く」サプリの代表が、クレアチンです。
今回は、クレアチンが何なのか、どんな効果があるのか、どう飲めばいいのかを、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解をもとにまとめます。
この記事の目次
クレアチンとは?
クレアチンは、体の中でアミノ酸から作られる物質で、主に筋肉に貯蔵されています。肉や魚にも含まれていて、私たちは普段の食事からも少しずつ摂っています。
筋肉が力を出す時のエネルギー源は「ATP」という物質ですが、ATPはすぐに使い切ってしまいます。そこで、ATPを素早く作り直すのに使われるのがクレアチンリン酸です。
クレアチンをサプリで補うと、筋肉内のクレアチンの貯蔵量が増えます。その結果、短時間で強い力を出す運動(筋トレ・ダッシュなど)で、あと1〜2回粘れるようになると考えられています。この「あと1〜2回」の積み重ねが、長期的なトレーニング量と筋肥大の差につながるわけです。
ISSNが「最も効果的」と評価するサプリ
ISSNは2017年に、クレアチンの安全性と効果についてのポジションスタンドを発表しています。その中で、次のようにはっきり述べています。
“Creatine monohydrate is the most effective ergogenic nutritional supplement currently available to athletes”
(クレアチン一水和物は、現在アスリートが入手できる中で最も効果的な、運動能力を高める栄養サプリメントである)
― Kreider RB, et al. ISSN position stand: safety and efficacy of creatine supplementation(2017)
サプリの評価に慎重な学会が、ここまで言い切るのは珍しい事なんですよね。それだけ研究の数が多く、結果も安定しているという事です。
期待できる効果
- 高強度運動のパフォーマンス向上:筋トレの挙上回数や、短距離ダッシュの繰り返しに有利
- 筋力・除脂肪量の増加:トレーニングと組み合わせる事で、トレーニングのみより伸びやすい
- トレーニングの質の向上:あと1〜2回が積み重なり、長期的なボリュームが増える
ただし、飲むだけで筋肉が付くわけではありません。あくまで「トレーニングの効果を後押しする」サプリです。
クレアチンの飲み方
ISSNのポジションスタンドで紹介されている代表的な飲み方は、次の2つです。
①ローディングあり(早く効果を出したい人)
- 最初の5〜7日間:体重1kgあたり約0.3g/日を4回に分けて摂取(体重70kgなら1日約20g=5g×4回)
- その後:1日3〜5gを毎日続ける
②ローディングなし(手軽に始めたい人)
- 最初から1日3〜5gを毎日続ける
ローディングなしでも、数週間かけて筋肉内のクレアチン量は高まっていくとされています。効果が出るまで少し時間がかかるだけなので、「お腹が心配」「面倒」という人は、最初から3〜5gで十分です。
いつ飲む?
クレアチンは「毎日飲み続けて、筋肉内の量を高く保つ事」が大切なサプリです。飲む時間帯よりも、毎日忘れずに続ける事を優先しましょう。プロテインに混ぜて飲むと忘れにくいのでオススメです。味はほぼ無味なので、何に混ぜても邪魔になりません。
選ぶなら「クレアチンモノハイドレート」
クレアチンには色々な種類(塩酸塩、エチルエステルなど)が販売されていますが、研究の数が圧倒的に多いのは「クレアチン一水和物(モノハイドレート)」です。ISSNが「最も効果的」としているのもこのタイプ。
値段も安い事が多いので、迷ったらモノハイドレートを選べば間違いないです。マイプロテインでも定番商品として扱われています。マイプロテインの主要商品の位置づけは「マイプロテインおすすめサプリは?購入必須な商品ランキングTOP10」も参考にしてください。
安全性と注意点
「クレアチンって腎臓に悪いんじゃないの?」という話を聞いた事がある人もいるかもしれません。
ISSNのポジションスタンドでは、健康な人が推奨量の範囲で短期・長期に使用した研究において、健康上の有害な影響は確認されていないとまとめられています。
とはいえ、以下の点には注意してください。
- 体重が少し増える事がある:筋肉内に水分を取り込む為、飲み始めに体重が増える場合があります。脂肪が増えたわけではありません。
- 一度に大量に飲むとお腹がゆるくなる人もいる:ローディング中は分けて飲みましょう。
- 腎臓の病気がある人、持病で治療中の人:必ず医師に相談してから使ってください。
- 競技者:クレアチン自体は禁止物質ではありませんが、サプリ全般に表示外の成分が混入するリスクがある為、製品選びは慎重に。
国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」でも、クレアチンの情報が公開されています。気になる人は一度目を通しておくと安心です。
よくある質問
Q. トレーニングしない日も飲むの?
A. はい。クレアチンは筋肉の中の貯蔵量を高く保つ事が目的なので、トレーニングしない日も毎日飲むのが基本です。休みの日は、朝食などのタイミングで飲めばOKです。
Q. 飲むのをやめたらどうなる?
A. 飲むのをやめると、筋肉内のクレアチン量は時間をかけて元のレベルに戻っていくと考えられています。急に筋肉が落ちるわけではありませんが、クレアチンによる「あと1〜2回」の上乗せは無くなっていきます。
Q. 女性や中高年が飲んでも大丈夫?
A. ISSNのポジションスタンドでは、運動する若者だけでなく、さまざまな年代を対象にした研究も紹介されています。ただし、持病がある人、妊娠中・授乳中の人、薬を飲んでいる人は、自己判断で始めずに医師に相談してください。
Q. カフェインと一緒に飲んでもいい?
A. 一般的な量のコーヒーなどと一緒に飲む分には、気にし過ぎる必要は無いと考えられています。カフェインについては次回詳しく解説します。
まとめ
- クレアチンは、ATPの再合成を助けて高強度運動のパフォーマンスを高める
- ISSNは「現在入手できる中で最も効果的なサプリ」と評価
- 飲み方はローディング(約0.3g/kg/日×5〜7日)→1日3〜5g、またはいきなり3〜5gでもOK
- 選ぶならクレアチンモノハイドレート
- 健康な人の推奨量の範囲では有害な影響は確認されていないが、持病がある人は医師に相談
というわけで、サプリの科学シリーズ第1回でした。次回は、多くの人が毎日摂っている「カフェイン」を筋トレの観点から解説します (*’ω’*)
サプリの科学シリーズ
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参考文献
- Kreider RB, et al. International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:18. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5469049/
- 国立健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」 https://hfnet.nibn.go.jp/
本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。