サプリとアンチ・ドーピングとは表示にない成分と薬の確認方法

サプリメントやプロテインは食品で、全成分の表示義務がなく、表示にない成分が含まれる可能性があります。日本アンチ・ドーピング機構の情報をもとに、厳格責任、薬の確認方法、相談先、個人輸入の注意を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
この記事の目次
サプリとアンチ・ドーピングとは
筋トレを始めると、プロテインやサプリメント(サプリ)が気になります。まず知っておきたいのは、サプリやプロテインは法律上「食品」で、医薬品と違って、すべての成分を表示する義務がないということです。日本アンチ・ドーピング機構(JADA。スポーツで禁止された薬物の使用=ドーピングを防ぐ国内の機関)は、アスリート向けのサイトで、ラベルに書かれていない成分が含まれている可能性があると注意しています。
大会に出る人は、意図しなくても違反に問われることがあります。大会に出ない人にとっても、「何が入っているか分からないものを体に入れない」という考え方は役に立ちます。この記事では、JADA・消費者庁・厚生労働省の情報をもとに、サプリのリスクと確認方法を整理します。特定の商品の推奨や評価はしません。
サプリとアンチ・ドーピングの基本
サプリと医薬品の違い
| 比べる点 | サプリ・プロテイン・栄養ドリンク | 医薬品 |
|---|---|---|
| 法律上の分類 | 食品 | 医薬品(医薬品医療機器等法で管理) |
| 成分の表示 | すべての成分を表示する義務はない | すべての含有成分の表示が義務 |
| 表示にない成分 | 含まれている可能性がある | — |
厳格責任とは
JADAの説明では、アンチ・ドーピングのルールには「厳格責任」の原則があり、アスリートは自分が摂取したものすべてに責任を持ちます。意図したかどうかに関係なく、検体から禁止物質が見つかれば規則違反に問われます。ラベルを確認するだけでは十分な対策にならない、とも説明されています。
サプリとアンチ・ドーピングの具体例
混入のしくみと調査の例
JADAのサイトは、同じ工場で複数の製品を作るときに、他の製品の成分が混入する可能性があると説明しています。また、国際オリンピック委員会(IOC)の調査(2000年10月〜2001年11月)では、禁止物質の表示がない634製品のうち94製品(14.8%)に、蛋白同化ホルモン(筋肉を増やす作用のあるホルモン系の物質)が含まれていたと紹介しています。
薬の確認方法
| 調べたいもの | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 医薬品(処方薬・市販薬) | 検索サービス「Global DRO」 | 日本・イギリス・カナダ・アメリカなどで売られている商品が対象。自分の競技を選んでから検索 |
| 漢方薬・サプリ | Global DROの対象外 | 医師・薬剤師などの専門家に必ず確認 |
| 薬全般の相談 | 公認スポーツファーマシスト | アンチ・ドーピングの知識を持つ薬剤師。検索サイト sportspharmacist.jp で地域別に探せる |
サプリとアンチ・ドーピングの実践ステップ
- 本当に必要かを考える。JADAは「食事第一(Food First)」で栄養をとるよう呼びかけ、サプリは不適切な食事やバランスを欠いた食事を補うために使うものではないとしています。
- 食事で足りているかを確かめる。たんぱく質なら、食事摂取基準の推奨量と比べます。
- 使うなら、成分と量を確かめる。消費者庁は、錠剤・カプセル状の製品は過剰摂取になりがちで、複数を使ったり医薬品的な効果を期待したりしないよう呼びかけています。
- 薬を飲んでいる人は、医師・薬剤師に相談する。消費者庁は、自己判断で医薬品と一緒に使うことを避けるよう示しています。
- 大会に出る人は、使う前にスポーツファーマシストなどに相談する。JADAのサイトは、IOCの専門家グループが、サプリを使う前に専門家の意見と助言が必要だと声明を出したと紹介しています(2017年5月)。
サプリとアンチ・ドーピングの注意点
- 筋肉を増やす目的で、医薬品(ステロイドなどのホルモン剤)を使わない。この記事は、健康のための筋トレを前提に、このような使い方を一切すすめません。
- 個人輸入に注意。厚生労働省は、海外の医薬品等は品質が国内と同じレベルで確認されていないことがあり、偽造品や不衛生な場所で作られたもののおそれもあり、重い健康被害が出ても救済制度の対象にならないと注意しています。
- 体調が悪くなったら使用をやめて相談。消費者庁は、不調を感じたら必ず医師・薬剤師などに相談するよう呼びかけています。
- 禁止物質の一覧(禁止表)は、少なくとも年1回改定されます。大会に出る人は、最新の情報で確かめます。
サプリとアンチ・ドーピングでよくあるミス
- 「天然成分だから安全」「海外で人気だから大丈夫」と考える。
- ラベルを見たから安心、と考える。表示にない成分の可能性があります。
- サプリを何種類も同時に始める。体調の変化の原因が分からなくなります。
サプリとアンチ・ドーピングのチェックリスト
- [ ] サプリが本当に必要かを、食事から考えた
- [ ] 薬を飲んでいる場合は、医師・薬剤師に相談した
- [ ] 大会に出る場合は、スポーツファーマシストなどに確認した
- [ ] 筋肉を増やす薬や、医薬品の個人輸入は使わないと決めた
サプリとアンチ・ドーピングのFAQ(よくある質問)
Q. プロテインでもドーピング違反になりますか?
A. JADAは、プロテインを含む食品に、ラベルに記載のない成分が含まれている可能性があると説明しています。大会に出る人は、使う前に専門家に確認します。
Q. 大会に出ない人も気にする必要がありますか?
A. ドーピングのルールは主に競技に出る人に関わります。ただし、表示にない成分を体に入れるおそれは誰にでも同じなので、成分がはっきりしないものは避けるのが安全です。
Q. 市販の風邪薬は大丈夫ですか?
A. 大会に出る人は、Global DROで調べるか、薬剤師・スポーツファーマシストに確認します。
筆者の見解(サプリとアンチ・ドーピング)
私見では、筋トレの初心者にとって、サプリは「足りないものを補う最後の手段」で、最初に買うものではないと考えます。食事で必要な量がとれていれば、表示にない成分のリスクをわざわざ取る理由はありません。どうしても使うなら、1種類ずつ、量を守って始め、薬を飲んでいる人や大会に出る人は、必ず専門家に相談してからにするのがよいと思います。
サプリとアンチ・ドーピングの関連項目
- 【サプリの科学⑥】サプリは何から飲むべき?優先順位と安全な選び方
- 【プロテイン基礎知識①】プロテインとは?ホエイ・カゼイン・ソイの違いを解説
- 【プロテイン基礎知識⑥】プロテインの飲み過ぎは腎臓に悪い?安全性と上限の考え方
- プロテインやサプリメントの効果に過度な期待をしてはいけない理由、劇的な効果が望める人の特徴
- 筋トレの痛み・ケガの相談先とは|受診の目安と専門家の種類
出典(一次情報)

本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。