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左右差を減らすには弱い側を優先する方法か、11件のレビュー

片脚トレで弱い脚から始める方法が左右差を減らすかを調べた11件・297人の系統的レビュー。傾向は見られたが、研究の質と測り方にばらつきがある。

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左右差を減らすには弱い側を優先する方法が有効か、11件の研究のレビュー

片脚ずつ行うトレーニングで、弱い脚から始めたり、弱い脚の量を増やしたりすると、脚の左右差は小さくなりやすいのか。この問いを調べた系統的レビューが、スポーツ医学誌Sports Medicine – Openに、2026年10月13日付で掲載されました。11件の研究、297人の競技者が対象で、左右差を減らす点では、弱い側を優先する方法のほうが、一般的なプログラムより、より一貫して効果が見られたと報告されています。ただし、研究の数が少なく、条件もまちまちなので、結論は慎重に読む必要があります。

対象は12〜30歳の競技者、4週間以上の下半身トレーニング

著者らは、Web of Science、PubMed、SPORTDiscusを2025年4月まで検索しました。条件は、12〜30歳の健康な競技者が、4週間以上の下半身トレーニングを行い、左右差(interlimb asymmetry)の変化と、少なくとも1つの運動パフォーマンスの指標の両方を測っていることです。検索で708件が見つかり、重複を除いた398件を絞り込み、参考文献などからの追加2件を含めて、最終的に11件が残りました。

比べた介入は、大きく2つです。

  • 弱い側に多くの刺激を与える個別化プログラム(事前テストで弱い脚を見つけ、その脚から始める、量を増やすなど)と、両脚に同じ刺激を与える一般的なプログラムの比較
  • 片脚ずつ行うトレーニングと、両脚で行うトレーニングの比較

研究が行われたのは2017〜2025年で、サッカー、バスケットボール、空手、ハンドボールなどの競技者が対象でした。1研究あたりの人数は18〜66人で、エリートから大学生、アマチュアまで幅があります。男性が中心で、1件は性別が書かれていませんでした。

弱い側優先と片脚トレーニングで、左右差の減少がより一貫

論文の要旨によると、結果は次のとおりです。

  • 左右差の減少は、一般的なプログラムと比べて弱い側を優先する方法で、また、両脚のトレーニングと比べて片脚ずつのトレーニングで、より一貫していた
  • 多くの介入で、運動パフォーマンスも向上した
  • 弱い側優先と片脚のトレーニングは、片脚で行う課題で大きな向上が出やすい。一方、両脚で行う課題では、両脚のトレーニングのほうに有利な結果が見られた
  • トレーニングの内容や測定の指標が研究ごとに違うため、結果を一般化するには限界がある

結論として著者らは、「弱い脚から片脚種目を始める」「弱い脚の量を増やす」といった戦略が、個別化しない片脚トレーニングより、左右差を減らすうえで有効とみられるとしています。ただし、片脚トレーニングや両脚トレーニングに対する優位性を確かめるには、質の高い研究がさらに必要だとも書いています。

11件の質と、測り方のばらつきに注意

本文を見ると、研究の質には課題があります。リスク・オブ・バイアスの評価では、ランダム化の方法が不明確と評価された研究が7件ありました。割り付けの隠蔽(誰がどのグループに入るかを事前に分からなくする手順)が適切に報告されていたのは1件だけで、結果の測定者が割り付けを知らなかったと明記していたのは3件でした。トレーニング中の盲検化はそもそも難しいため、この評価では外されています。

測定のしかたにもばらつきがあります。どちらの脚が優位か(弱い脚か)の決め方に、本人の申告で決める研究と、テストの成績で決める研究があり、左右差の計算式にも統一された方法がありません。著者らは、含まれた研究のいずれも、元の左右差が、測定ツール自体のばらつき(変動係数)を超えていたかを報告していない点も限界に挙げています。つまり、元の左右差が、測定の誤差を超える本物の差だったかを、このレビューの範囲では確かめられません。また、脱落が多く、バイアスが大きいと評価された研究も4件ありました。

取り入れるなら、弱い側の決め方が前提

論文は、弱い側から始める方法を、追加の器具や時間が要らず、安全で実行しやすい方法としています。ただし、論文が強調しているのは、「どちらが弱いか」を正しく決めることです。本人の感覚や、普段よく使う側のアンケートではなく、鍛えたい動きに近い課題(たとえば、水平方向のジャンプを強くしたいなら、片脚の水平ジャンプの成績)で判断することを勧めています。

ここからは編集部の見方です。論文の勧めに沿うなら、片脚種目の前に、同じ課題で左右の成績を測って記録し、成績の低い側から始める、という手順になります。感覚だけで「こちらが弱い」と決めるのは、論文の勧めとは異なります。

一方で、このレビューの対象は、12〜30歳の健康な競技者に限られます。一般のトレーニーや中高年、けがの履歴がある人に同じ傾向が出るかは、この論文からは分かりません。痛みや違和感がある場合は、トレーニングを続けず、専門家に相談してください。

出典

2026年10月27日時点の情報です。

本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。