ダンベルプレスとはベンチプレスとの違いと重量の目安

ダンベルプレスのやり方と、ベンチプレスとの違い(扱える重量・筋活動・可動域)を研究結果をもとに比較します。何kgから始めるか、20kg・30kgの重さの意味、ダンベルの持ち上げ方と下ろし方も解説します。
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この記事の目次
ダンベルプレスとは
ダンベルプレスとは、ベンチに仰向けになり、左右の手にダンベルを持って胸の上へ押し上げる種目です。主に大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋が働きます。ベンチプレスと同じ「押す」動きですが、左右が独立しているため、バランスを取る要素が加わります。
「ダンベルプレス ベンチプレス 違い」「ダンベルプレス 20kg」と検索されるように、どちらを選ぶべきか、何kgを持てばよいかが代表的な疑問です。この記事では、その2点を中心に整理します。
基本(フォームの手順)
- ダンベルを太ももの上に立てて持ち、ベンチに座る。
- 仰向けになりながら、膝でダンベルを押し上げる勢いを使って胸の横へ運ぶ。
- 肩甲骨を寄せて下げ、胸を軽く張る。足は床にしっかりつける。
- 手のひらを足側に向け、ダンベルを胸の真上へ押し上げる。
- 肘を体から45〜70度程度開いた位置で、胸の横までゆっくり下ろす。
- 終わったら、ダンベルを胸の上で止め、膝を引き寄せながら起き上がる。
始めと終わりの「持ち上げ方・下ろし方」はケガの多い場面です。重いダンベルを胸の上から横へ放り投げるように落とすと、肩を痛めたり周囲に危険が及んだりします。
特徴(ベンチプレスとの違い)
Saeterbakkenらの2011年の研究(トレーニング経験のある男性12人)は、スミスマシン、バーベル、ダンベルの3種類で1RM(1回だけ挙げられる最大重量)と筋活動を比べました。
| 比較項目 | 結果 |
|---|---|
| 1RM | ダンベル(左右合計)はバーベルより約17%、スミスマシンより約14%低い |
| 大胸筋・三角筋前部の筋活動 | 3種類で差がない |
| 上腕三頭筋 | ダンベルで低い |
| 上腕二頭筋 | 安定の要求が高いほど高い(ダンベルが最も高い) |
一方、Fariasらの2017年の研究(経験者19人、10RMで4セット)では、ダンベルプレスの方がバーベルより大胸筋の筋活動が高く、合計回数も多い結果でした。研究によって条件(最大1回か、10回×複数セットか)が違い、結果も一致していません。
まとめると、「扱える重量はダンベルの方が軽くなるが、大胸筋への刺激が劣るとは言えない」というのが妥当な読み方です。どちらが優れているかではなく、目的で選びます。
| 目的 | 向く種目 |
|---|---|
| 最大重量を伸ばしたい、記録を測りたい | ベンチプレス |
| 左右差を整えたい、可動域を広く取りたい | ダンベルプレス |
| 自宅で器具が限られる | ダンベルプレス(ベンチが無ければフロアプレス) |
具体例(重量の目安と計算例)
上の研究の「約17%低い」は1RM(最大1回)での差で、経験者12人の平均です。これを10回の重量に当てはめた大まかな概算として、ベンチプレスで10回挙げられる重量が60kgの人なら、ダンベルプレスの左右合計は50kg前後、片手25kg前後が一つの目安になります(60kg×0.83≒50kg)。ただし個人差が大きいので、最初はこれより軽い重さで回数を確認してください。
| ベンチプレス10回の重量 | ダンベル片手の目安(計算) | 最初に試す重さ |
|---|---|---|
| 40kg | 約16〜17kg | 12kg前後 |
| 60kg | 約25kg | 20kg前後 |
| 80kg | 約33kg | 28kg前後 |
「ダンベルプレス 20kg」は、片手20kgを指すことがほとんどです。左右で40kgなので、上の計算ではベンチプレス50kg前後を10回挙げられる人の水準に相当します。
ACSMの指針では、初心者は8〜12回で限界になる負荷、決めた回数より1〜2回多くできたら2〜10%増やす進め方が示されています。ダンベルは2kg刻みなど重さの間隔が大きいことが多いので、重さを上げる前に回数を増やして調整します。
ダンベルプレスの実践ステップ
- 片手10kg程度の軽い重さで、持ち上げ方と下ろし方を練習する。
- 8〜12回で限界の2回手前になる重さを探す。
- 3セットとも目標回数ができたら、1セット目の回数を増やす。
- 全セットで目標より2回多くできたら、次の重さに上げる。
- 胸トレのメニューでは、ベンチプレスの後か、ベンチプレスの代わりに置く。
ダンベルプレスの注意点
- 重いダンベルは、持ち上げる前と下ろす前に周囲を確認します。
- ダンベルを深く下ろしすぎると肩の前側に負担がかかることがあります。痛みが出る場合は可動域を浅くし、続くときは医師に相談してください。
- 手首が反りすぎないよう、ダンベルを手のひらの付け根に乗せて握ります。
- ベンチの上で体がずれないよう、足を床にしっかりつけます。
ダンベルプレスでよくあるミス
| ミス | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 最初から重すぎる | 左右がぶれて回数が揃わない | 一段軽い重さで回数を揃える |
| 押し上げてダンベル同士をぶつける | 負荷が抜ける、手首を痛める | 胸の真上で止める |
| 肘を真横(90度)に開く | 肩の前側に負担が集中しやすい | 肘を少し体側に寄せる |
| 終わりにダンベルを横へ落とす | 肩・周囲への危険 | 胸の上で止めてから起き上がる |
ダンベルプレスのチェックリスト
- 膝を使ってダンベルを安全に構えられる
- 肩甲骨を寄せたまま動かせている
- 左右のダンベルが同じ高さで動いている
- 8〜12回で限界の2回手前になる重さを選んでいる
- 重さと回数を記録している
ダンベルプレスのFAQ(よくある質問)
Q. ダンベルプレスとベンチプレス、どちらが胸に効きますか。
A. 研究結果は一致しておらず、大胸筋の筋活動は「同等」とする研究と「ダンベルの方が高い」とする研究があります。目的と環境で選んでください。
Q. ダンベルの方が軽いのはなぜですか。
A. 左右を独立して安定させる必要があるためと考えられています。研究では左右合計でバーベルより約17%低い結果でした。
Q. 自宅にベンチがありません。
A. 床に仰向けで行うフロアプレスなら、肘が床で止まるため可動域は狭くなりますが、器具が少なく済みます。
筆者の見解(ダンベルプレス)
ダンベルプレスは、ベンチプレスの「劣化版」ではなく、別の長所を持つ種目だと考えます。私見では、ベンチプレスの記録を伸ばしたい人はバーベルを軸にし、左右差や肩の動きが気になる人はダンベルを軸にする使い分けが現実的です。研究結果が分かれている部分は、どちらかに決めつけないことが大切です。
ダンベルプレスの関連項目
出典(一次情報)
- A comparison of muscle activity and 1-RM strength of three chest-press exercises with different stability requirements(J Sports Sci, 2011)
- Maximal Strength Performance and Muscle Activation for the Bench Press and Triceps Extension Exercises Adopting Dumbbell, Barbell, and Machine Modalities Over Multiple Sets(J Strength Cond Res, 2017)
- American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults(Med Sci Sports Exerc, 2009)

本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。