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ベンチプレスの手幅とはグリップの決め方と81cmライン

ベンチプレスの手幅とは|グリップの決め方と81cmライン

ベンチプレスの手幅(グリップ幅)は、挙げられる重量や胸・腕への効き方を変えます。ナロー・ミディアム・ワイドの違い、バーの81cmラインの意味、初心者の手幅の決め方と握り方の注意点を研究をもとに解説します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

ベンチプレスの手幅とは

ベンチプレスの手幅とは、バーを握るときの左右の手の間隔のことで、「グリップ幅」とも呼ばれます。一般に、狭い「ナローグリップ」、中くらいの「ミディアムグリップ」、広い「ワイドグリップ」に分けられます。手幅は、扱える重量、バーを動かす距離、胸と腕のどちらに効きやすいかに影響します。

「ベンチプレス グリップ」「ベンチプレス 81cmライン」と検索されるように、どこを握ればよいか迷う人は多い種目です。この記事では、研究結果をもとに手幅の違いを整理し、初心者の決め方を紹介します。重量の目安やフォーム全体は関連項目の記事を参照してください。

基本(81cmラインと手幅の種類)

81cmラインとは

多くのバーベルには、ローレット(滑り止めの刻み)の中に、細い溝やローレットの切れ目があります。これが一般に「81cmライン」と呼ばれる目印です。2021年の研究では、ワイドグリップを「ベンチプレス競技で認められる最も広い手幅(81cm)」と定義しており、競技の上限が81cmであることが背景にあります。目印の位置はバーによって違うことがあるので、使うバーで確認してください。

手幅の種類

名称 目安 主な特徴
ナロー 肩幅程度かそれより狭い 上腕三頭筋の関与が大きい、バーの移動距離が長い
ミディアム ナローとワイドの中間 胸・肩・腕をバランスよく使う
ワイド 81cmライン付近 バーの移動距離が短い、上腕三頭筋の関与が小さい

特徴(研究で分かっていること)

Saeterbakkenらの2021年の研究(バーベルのベンチプレスに慣れた男性28人。トレーニング経験者15人と初心者13人)は、ナロー(脇の下の幅)、ワイド(81cm)、その中間の3つの手幅で6RM(6回で限界の重さ)と筋活動を比べました。

項目 結果
6RMの重量 ナローが他の2つより低い(初心者・経験者とも)
上腕三頭筋 ワイドはミディアム・ナローより低い
上腕二頭筋 手幅が広いほど高い
三角筋前部 ミディアムがナローより高い
大胸筋など他の筋 手幅による差は見られない

この研究では、大胸筋の筋活動は手幅で差が出ませんでした。論文の中でも、過去の研究ではワイドで大胸筋が高いとするもの、ナローで高いとするものがあり、結論は一致していないと述べられています。

2024年の研究(活動的な男性54人、スミスマシン)では、肩幅(肩峰間の距離)の120%、160%、200%の3つの手幅で1RMを測定し、1RMに有意な差はありませんでした。一方、同じ相対的な重さでは、ナローとミディアムの方がバーの移動距離が長く、速度も高い傾向でした。

また、2021年の別の研究(男性19人、スミスマシン、1RMの75%)では、手幅を変えても限界までの回数に差はありませんでした。

これらをまとめると、手幅で大胸筋への効き方が大きく変わるという根拠は強くなく、変わりやすいのは上腕三頭筋・上腕二頭筋・三角筋前部の関与とバーの移動距離と考えるのが妥当です。

具体例(手幅の決め方)

初心者の決め方の手順

  1. ベンチに仰向けになり、バーを胸に下ろしたとき、前腕が床に対してほぼ垂直になる位置を探す。
  2. その位置で、人差し指や小指が81cmラインからどれだけ離れているかを覚える(例: 人差し指がラインに触れる、など)。
  3. 毎回、その目印で同じ位置を握る。

手幅を変える計算例

肩幅(肩先から肩先)が40cmの人なら、研究で使われた肩幅の120%は48cm、160%は64cm、200%は80cmです。200%はちょうど81cmライン付近にあたります。肩幅の広い人がワイドで握ると、81cmより外になることもあります。

肩幅 120% 160% 200%
36cm 約43cm 約58cm 約72cm
40cm 48cm 64cm 80cm
44cm 約53cm 約70cm 約88cm

ベンチプレスの手幅の実践ステップ

  1. 空のバーで、前腕が垂直になる手幅を探す。
  2. 81cmラインを基準に、自分の握る位置を決めて記録する。
  3. 8〜12回のセットで、肩や手首に違和感がないか確かめる。
  4. 違和感があれば、指1本分ずつ手幅を変えて試す。
  5. 一度決めたら、しばらく同じ手幅で記録を伸ばす。

ベンチプレスの手幅の注意点

  • ワイドにしすぎると、肩の前側に負担を感じる人がいます。痛みが出たら手幅を狭め、続く場合は医師に相談してください。
  • ナローは手首や肘への負担が増えることがあります。前腕が内側に傾きすぎない範囲にします。
  • 親指をバーに回さない握り方(サムレスグリップ)は、バーが手から滑り落ちる危険があるため、初心者は避けましょう。
  • 手のひらの付け根の上にバーを乗せ、手首が反りすぎないようにします。

ベンチプレスの手幅でよくあるミス

ミス 起きること 対策
毎回握る位置が違う 記録の比較ができない 81cmラインを基準に固定する
胸に効かせたくて極端なワイド 肩の前に負担 前腕が垂直になる幅から調整
左右の手幅がずれている バーが傾く ラインから左右同じ距離を確認
サムレスで握る バーの落下リスク 親指をバーに回す

ベンチプレスの手幅のチェックリスト

  • バーを胸に下ろしたとき前腕がほぼ垂直になっている
  • 81cmラインからの位置を覚えている
  • 左右の手幅が同じ
  • 親指をバーに回している
  • 手首が反りすぎていない

ベンチプレスの手幅のFAQ(よくある質問)

Q. ワイドグリップの方が胸に効きますか。
A. 研究結果は一致しておらず、2021年の研究では大胸筋の筋活動に手幅の差はありませんでした。肩に違和感のない幅を選ぶことを優先してください。

Q. 手幅で最大重量は変わりますか。
A. 研究によって異なり、ナローで6RMが低い研究と、1RMに差がない研究があります。

Q. ナローグリップは何に使いますか。
A. 上腕三頭筋の関与を増やしたいときのバリエーションとして使われます。重量は普段より下げて始めます。

筆者の見解(ベンチプレスの手幅)

手幅は「胸に効くかどうか」で選ぶより、肩と手首が安定し、毎回同じ位置で握れることを優先すべきだと考えます。私見では、研究で大胸筋の差がはっきりしない以上、初心者は前腕が垂直になる幅から始め、記録が伸びる幅を探すのが合理的です。極端な手幅は、ある程度経験を積んでからのバリエーションと考えた方がよいでしょう。

ベンチプレスの手幅の関連項目

出典(一次情報)

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本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。