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背中・懸垂

チンニングとは懸垂の種類(順手・逆手・パラレル)の違い

チンニングとは|懸垂の種類(順手・逆手・パラレル)の違い

チンニング(懸垂)には順手のプルアップ、逆手のチンアップ、手のひらを向かい合わせるパラレルグリップなどの種類があります。握り方と手幅で効く筋肉がどう変わるのかを筋電図研究で比べ、目的別の選び方を解説します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

チンニングとは

チンニングとは、バーにぶら下がり、腕と背中の力で体を引き上げる懸垂のことです。日本のジムでは「チンニング」と「懸垂」がほぼ同じ意味で使われますが、英語では握り方によって呼び方が分かれます。手の甲を自分に向ける順手は「プルアップ(pull-up)」、手のひらを自分に向ける逆手は「チンアップ(chin-up)」、手のひら同士を向かい合わせる握りは「ニュートラルグリップ(パラレルグリップ)」と呼ばれます。

「チンニング パラレル」「懸垂 逆手 順手 違い」と検索されるように、どの握り方が背中に効くのかは代表的な疑問です。この記事では、懸垂の種類ごとの違いを研究結果で比べます。1回もできない人の練習法は関連項目の記事を参照してください。

基本(懸垂の種類)

種類 握り方 一般的な特徴
プルアップ(順手) 手の甲が自分側、肩幅よりやや広め 背中の広がり(広背筋)の種目として定番
チンアップ(逆手) 手のひらが自分側、肩幅程度 腕(上腕二頭筋)も使いやすく、回数が出やすい人が多い
パラレル(ニュートラル) 手のひら同士が向かい合う 手首・肩が楽と感じる人が多い
ワイドグリップ 順手で肩幅の1.5倍以上 可動域が短くなりやすい

どの懸垂でも主役は広背筋で、上腕二頭筋、僧帽筋下部、菱形筋、大円筋なども働きます。

特徴(研究で比べた違い)

順手と逆手

Youdasらの2010年の研究(男性21人、女性4人)では、順手のプルアップと逆手のチンアップを比べました。

筋肉 平均の筋活動(最大収縮比) 順手と逆手の差
広背筋 117〜130% 有意差なし
上腕二頭筋 78〜96% 逆手の方が高い
大胸筋 44〜57% 逆手の方が高い
僧帽筋下部 45〜56% 順手の方が高い

広背筋の働きは握り方でほとんど変わらず、変わったのは上腕二頭筋、大胸筋、僧帽筋下部でした。

パラレル・ロープを含む比較

Dickieらの2017年の研究(筋トレ経験のある男性19人)は、逆手、順手、ニュートラル、ロープの4種類を比べました。順手はニュートラルより僧帽筋中部の活動が高かったものの、全体としては、握り方が違っても肩・腕まわりの筋活動は同程度とまとめられています。また、どの種類でも、引き上げる局面(コンセントリック)の方が下ろす局面より上腕二頭筋や大胸筋の活動が高い結果でした。

手幅

2021年の研究(経験者の男性14人、順手)では、肩幅と、各自が自由に選んだ手幅(平均で約20%広い)で比べ、1RM、限界までの回数、力と速度の関係に差はありませんでした。手幅を少し変えた程度では、懸垂の能力そのものは大きく変わらないと考えられます。

具体例(目的別の選び方)

目的・状況 おすすめ
まず回数を伸ばしたい 逆手かパラレルで回数を稼ぎ、順手も練習する
背中(広背筋)を鍛えたい どの握りでも広背筋は働く。続けやすい握りを選ぶ
腕も一緒に鍛えたい 逆手(上腕二頭筋の活動が高い)
肩甲骨まわり(僧帽筋)も使いたい 順手
手首・肩に違和感がある パラレル

メニュー例(週2回、背中の日)

種目 回数×セット
順手懸垂 できる回数の8割×3
逆手懸垂 できる回数の8割×2
ラットプルダウン(補助) 10〜12回×2

たとえば順手で最大8回できる人なら、8×0.8≒6回×3セットです。全セットで6回が楽にできたら7回に増やします。

チンニングの実践ステップ

  1. 自分が何回できるかを、順手・逆手・パラレルでそれぞれ測る。
  2. 最も回数が少ない握りを「伸ばしたい種目」、多い握りを「回数を稼ぐ種目」にする。
  3. 1回の背中トレで2種類までに絞り、各2〜3セット行う。
  4. 毎回、握り方・回数・セット数を記録する。
  5. 10回×3セット程度ができるようになったら、加重懸垂を検討する。

チンニングの注意点

  • 肩・肘に痛みがある場合は中止し、続くときは医師に相談してください。
  • 逆手は肘の内側や上腕二頭筋に負担が集中しやすいと感じる人がいます。違和感があればパラレルに変えます。
  • ぶら下がったまま肩をすくめると、肩に負担がかかります。引き始めに肩を下げる意識を持ちます。
  • 自宅のドア枠用バーなどは、取り付けと耐荷重を必ず確認します。

チンニングでよくあるミス

ミス 起きること 対策
反動(キッピング)で引き上げる 背中への負荷が減る、肩への衝撃 体を止めてから引く
下ろし切らない 可動域が狭く、回数だけ増える 肘がほぼ伸びるまで下ろす
極端なワイドグリップ 可動域が狭まり、肩に負担 肩幅〜1.5倍程度に
握り方の違いで背中に効かないと思い込む 種目選びに迷う 広背筋はどの握りでも働く

チンニングのチェックリスト

  • 順手・逆手・パラレルの回数を測った
  • 引き始めに肩を下げている
  • 反動を使っていない
  • 下ろすときに肘がほぼ伸びている
  • 握り方ごとに回数を記録している

チンニングのFAQ(よくある質問)

Q. チンニングと懸垂は違うものですか。
A. 日本では同じ意味で使われることがほとんどです。英語では逆手をチンアップ、順手をプルアップと呼び分けます。

Q. 逆手の方が楽なのは、背中を使っていないからですか。
A. 研究では、広背筋の活動は順手と逆手で差がなく、逆手は上腕二頭筋や大胸筋の活動が高い結果でした。背中を使っていないわけではありません。

Q. 広く握るほど背中が広がりますか。
A. 手幅を約20%変えた研究(経験者14人の1回の測定)では、1RMや回数などの能力に差はありませんでした。手幅の違いで背中の筋肥大が変わるかを長期間比べた研究ではないため断定はできませんが、極端に広くする必要はないと考えられます。

筆者の見解(チンニング)

懸垂の握り方は「どれが正解か」より、「どれなら続けられて回数を伸ばせるか」で選ぶのがよいと考えます。研究を見る限り、広背筋はどの握りでもしっかり働くため、背中に効かないと悩む必要は小さいでしょう。私見では、得意な握りで回数を稼ぎつつ、苦手な握りも少しずつ練習するのが、懸垂全体を伸ばす近道です。

チンニングの関連項目

出典(一次情報)

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本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。