シシースクワットとは太もも前を鍛えるやり方と膝の注意

シシースクワットは、踵を上げて膝を前に突き出し、体を後ろに倒しながらしゃがむ自重種目です。太もも前(大腿四頭筋)に強い負荷がかかる仕組み、補助付きから始める段階的なやり方、膝への負担と注意点を、関連する研究をもとに解説します。
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この記事の目次
シシースクワットとは
シシースクワットとは、踵を上げてつま先立ちになり、膝を前に突き出しながら、膝から頭までを一直線に保って体を後ろへ倒していくスクワットです。股関節をほとんど曲げず、膝の曲げ伸ばしで体を上下させるため、太もも前(大腿四頭筋)に負荷が集中するのが特徴です。器具なしでもでき、「シシースクワット」はよく検索されるキーワードです。
一方で、膝を大きく前に出す姿勢になるため、「膝に悪いのでは」という疑問も多い種目です。シシースクワットそのものを対象にした研究は少ないため、この記事では、関連する研究を手がかりに、仕組みと安全なやり方を整理します。
基本(やり方)
補助ありのシシースクワット(初心者向け)
- 柱や壁、ラックなど、しっかりした支えの横に立ち、片手でつかまる。
- 足を腰幅に開き、踵を上げてつま先立ちになる。
- 膝を前に突き出しながら、膝から頭までを一直線に保って体を後ろに倒していく。
- 太もも前に強い伸びを感じるところ、または膝に違和感が出ない手前で止める。
- 膝を伸ばす力で、元の姿勢に戻る。
器具を使う方法
ジムによっては、足首を固定するパッドが付いた専用台(シシースクワット台)があります。足首が固定されるため、バランスを取りやすくなります。慣れてきたら、プレートを胸に抱えて負荷を上げることもあります。
特徴(研究から考えられること)
太もも前に効く理由
シシースクワットは、股関節をあまり曲げず、主に膝を伸ばす力で体を持ち上げる種目です。この点で、マシンのレッグエクステンションに近い性格を持つと考えられます。
2026年に発表された研究(トレーニング未経験の若い成人17人・男性11人と女性6人、12週間、週2回)では、片脚でレッグエクステンション(膝だけを伸ばす単関節種目)、もう片脚でレッグプレス(多関節種目)を行い、MRIで筋の体積を比べました。大腿直筋(太もも前の中央にある筋)はレッグエクステンションで約13.2%増えた一方、レッグプレスではほとんど増えませんでした(約1.1%)。大腿四頭筋全体の増え方は同程度でした。
大腿直筋は股関節と膝の両方にまたがる筋で、股関節を伸ばした姿勢で膝を伸ばす種目でよく働くと考えられます。シシースクワットも股関節を伸ばしたまま膝を曲げ伸ばしする点で共通しますが、シシースクワット自体で同じ結果が出ると確かめた研究ではない点に注意してください。
膝への負担
Escamillaの2001年のレビューは、スクワットで膝にかかる圧縮力やせん断力は、膝を深く曲げるほど大きくなるとしています。シシースクワットは膝を大きく曲げ、しかも膝が前に出る姿勢になるため、膝の前側(膝蓋大腿関節)に負担がかかりやすい種目と考えるのが妥当です。深さを自分で調整し、痛みのない範囲で行うことが大切です。
具体例(段階的な進め方)
| 段階 | 方法 | 回数×セット |
|---|---|---|
| 1 | 支えにつかまり、浅く(膝が少し前に出る程度)行う | 10回×2 |
| 2 | 支えにつかまり、太もも前が伸びる深さまで | 10〜12回×3 |
| 3 | 片手で軽く支える程度にする | 10〜15回×3 |
| 4 | 専用台を使い、プレートを胸に抱える | 8〜12回×3 |
脚トレでの置き方
| 順番 | 種目 | 回数×セット |
|---|---|---|
| 1 | スクワット または レッグプレス | 8〜10回×3 |
| 2 | ブルガリアンスクワット | 左右各10回×2 |
| 3 | シシースクワット(補助あり) | 10〜15回×2 |
重い多関節種目の後に、仕上げとして行うのが一般的です。厚労省の情報シートは自重トレーニングも筋トレに含め、週2〜3日の実施を推奨しています。脚の種目全体で、この頻度に収まるよう組みます。
シシースクワットの実践ステップ
- 膝に痛みや手術歴がないか確認する。不安があれば先に医師に相談する。
- 支えにつかまり、浅い深さで動きを覚える。
- 膝から頭までが一直線になっているか、横から動画で確認する。
- 痛みがなければ、少しずつ深くし、回数を増やす。
- 回数が楽になったら、支えを減らす・専用台・加重の順に進める。
シシースクワットの注意点
- 膝の前側に痛みが出たら、すぐに中止してください。続く場合は医師に相談しましょう。
- 膝に既往症(半月板・靱帯・膝蓋骨の障害など)がある人は、自己判断で行わず医師に相談してください。
- いきなり深く倒れると、膝に急な負担がかかり、立ち上がれなくなることもあります。最初は浅く、必ず支えを持って行います。
- 息をこらえないよう注意します(厚労省の情報シートも息こらえに注意を促しています)。
シシースクワットでよくあるミス
| ミス | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| お尻を後ろに引いてしまう | 普通のスクワットになる | 膝から頭まで一直線を保つ |
| 支えなしで深く行う | バランスを崩す、膝に急な負担 | 支えにつかまり浅めから |
| 踵をつけたまま行う | 膝を前に出せない | つま先立ちになる |
| 痛みを我慢して続ける | 膝を痛める | 痛みが出たら中止 |
シシースクワットのチェックリスト
- 膝に痛みや既往がない(ある場合は医師に相談済み)
- 支えにつかまって行っている
- 膝から頭まで一直線を保っている
- 痛みのない深さで止めている
- 重い脚の種目の後に、仕上げとして行っている
シシースクワットのFAQ(よくある質問)
Q. シシースクワットは膝に悪いですか。
A. 膝を大きく曲げて前に出すため、膝の前側に負担がかかりやすい種目と考えられます。痛みのない範囲で浅めから始め、痛みが出たら中止してください。
Q. 太もも前だけを鍛えたいときに向いていますか。
A. 股関節をあまり曲げずに膝を伸ばす動きなので、太もも前に負荷が集中しやすい種目です。研究では、似た性格のレッグエクステンションで大腿直筋がよく増えていました。
Q. 毎日やってもよいですか。
A. 筋肉を大きくする目的なら、他の脚の種目と同じく回復日を挟む方が一般的です。
筆者の見解(シシースクワット)
シシースクワットは、器具がなくても太もも前に強い刺激を入れられる珍しい種目ですが、膝への負担という面では上級者向けの性格を持つと考えます。私見では、最初から深さや回数を追わず、支えにつかまって浅い範囲で動きに慣れることが何より大切です。直接の研究が少ない種目なので、自分の膝の反応を最優先に判断してください。
シシースクワットの関連項目
出典(一次情報)

本記事はトレーニング・栄養に関する一般的な情報提供を目的としており、医療・栄養指導の代わりにはなりません。ケガや持病のある方、服薬中の方は、トレーニングや食事を変える前に医師にご相談ください。痛みや違和感があるときは中止してください。また、ドーピング禁止規定に反する物質・方法の使用を勧めるものではありません。